2005年02月09日
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やさしく読む「XML 1.0勧告」 第30回 実体参照における「振る舞い」とは何か

Written By: 川俣 晶連絡先

 以下の記事が公開されました。

XMLの専門家って何よ §

 今回の本文中に、こんな文書があります。

それは、かなり高度かつ複雑な処理になると思われるが、不幸にして筆者は実現された事例を知らない。もしご存じの読者がいればご教示願いたい。

 こういうことを書かねばならないのは、XMLという技術がどこでどう使われているのか、さっぱり分からないことによります。

 XMLが生まれたての頃は、本当に普及するのだろうかと心配する声も上がったものの、いざ蓋を開けてみれば幅広く普及しすぎて、しかもあまりに当たり前の技術として普及したために、世の中はXMLの応用事例だらけ。どこで誰が何にXMLを使っているのか、さっぱり把握し切れません。

 「XMLを使ってシステムを実現しました。ぜひ川俣さんにも見て欲しいです!」などと殊勝なメールを送ってくる人もいません。xml-usersメーリングリストにもっと手柄話を書いて、と書いたこともありますが、あまりリアクションはありません。

 というわけで、一応、XML勧告のJIS規格版であるJIS X 4159を送り出した委員会のメンバーであって、それなりにXMLとしての正しさをジャッジできる(かもしれない)立場でいる私も、その使われ方に関しては分からないことだらけです。

 そうなってくると、そもそも「XMLの専門家って何よ」という問いかけがあり得ます。

 はたして、何がXMLの専門家であるのか。

 XML勧告を読める人間がXMLの専門家なのか。

 それとも応用事例をよく知っている人間がXMLの専門家なのか。

 後者であれば、私はXMLの専門家ではないことになります。

 なかなか難しい問題です。

 もちろん、XML勧告に書かれた内容に反することを正しいかのように主張する人達がXMLの専門家ではないことは間違いありませんが。